こねこのこころ: 遠足しよう（後編）

　おはようございますこねこのこころです。

　今日のBGMはゆらゆら帝国で空洞です。

　最近、ビールのCMでゆらゆら帝国の曲が使われているのはご存知だろうか？解散が明らかになった最後のアルバムに収録された曲。

↑実はこんなキョンキョンが歌ったバージョンもある。気持ち悪いけど、どこかポップなこの世界観は凄い。

　前編の続きなのですが、家で明け方再び飲みなおしてたらあらゆる音楽資料の中に年代ものの誰かのドンペリがあって酔ってるみんなは思いきって、

　「おい、なんだよそれ！今開けて飲もうぜ！！」

　という悪ふざけの極みに突入。

　「いや、やめたほうがいいよ〜」

　という一部の声をふりきってドンペリを開けてしまったのである。

　人数分のコップ用意してみんなで乾杯して飲んだ結果は……

　みんな口がぽかん。ぽかんとしてた。

　「ふ〜ん、これがドンペリねえ。は？店で出したら３万もするの？俺たちにはよくわかんねえな〜」

　と一同まあ高い飲み物なんだと認識しながら飲んでいた（笑）

　この時間辺りで私の眠気は頂点に達し、逃げるように寝室に駆け込んだのである。

翌日、昼の１２時くらいになってすでにギースとトムは起きていて、

　「おい！トムがいなくなったから探しに行くぞ！！」

　とギースさんに言われて、起きてうとうと状態で車を出してトムさんを探しにいった。

　携帯であらかた場所の目処がついてたのか、すぐに見つかってそのまま謎の湖？ダムの貯水所？みたいな観光地らしき場所に向かった。

　だだっ広くて何もない世界に、こころの中でレコーディングはどうなってしまうんだろう？本当にこの地から帰ることはできるのだろうか？と前日飲みまくって終始気持ち悪い中、この真っ青な青空と正反対の気持ちになっていたのである（笑）

　そんな観光も終え、食料を買い込んで、さあ、作業するぞ！！ということでやっと録音作業に突入！！曲は骨折の中でもキャッチーなナンバー♪♪

　まずはメインボーカルのダニオさんの歌入れ。

　前日思いっきり歌った我々は少し喉を消耗していた（笑）

　次にコーラスをしてる自分の録音♪

　↓最後は一部分歌ったり、コーラスをしてるこうちゃんのパートを録音した。

　録音作業中、ほとんど飯も食わない状態で、自分の中で唯一アイデンティティが出せるといったら、途中離脱した秋山くんのお土産のアポロをむしゃむしゃ食ってのほほんとしてる瞬間くらいだった（笑）

　一通り録り終えて、機材で再生しながらバランスを見ていた。

　その一方でギースさんは……

　「おい、七輪あるからよぉ、魚焼いて食うぞ！」

　とレコーディングしてる家の庭先でなぜか焼き魚大会が始まった（笑）！
　

　実は家の中がほとんど暖房器具を使ってなかったので庭で魚食うのも寒いし、部屋の中も寒かったし、今思うと古河＝寒い、という印象しかないのです（笑）

　だからこの魚達を庭で焼いてるのを見てうまそうだな〜、以上に、寒そうだな〜が先行してました（笑）

　ししゃも達を焼いて食ってたら、

　「おい、他にも魚あるからこれも焼いて食え！」ということで親分みたいな「さんま」もどかっとやってきた。

　↑見て下さい！この規格外のでかさ！焼くのに時間が凄くかかったけど、できたの食ったら肉よりうまかった（笑）

　さらに、「酒もまだたくさんあるから飲め飲め！」

　いやあの体調が…

　「もう、飲め飲め！」

　もはや振り切れて笑うしかなかった（笑）

　レコーディング作業をずっと横で見てたギースさんは、

　「音を重ねてるの見てるうちに段々その曲が何やりたいか俺にはわかんねえんだよな〜」

　とか、

　「うまくなっちまって旨味がなくなっちまってるぞ〜」

　や、

　最も印象に残った台詞は、

　「おまえらの曲、昨日のライブ、を見てる限り、聞き手を見下しすぎてるぞ〜。届けなきゃいけない相手っていうのは普段仕事して、彼女、彼氏やカミさんがいて、子供がいて日々の生活があって音楽なんかほとんど知らないやつが相手だろ？そんな人にダブルミーニング、トリプルミーニングみたいな難しいことやったって伝わるわけないじゃん。もっとわかりやすくシンプルにやれよ〜。だから俺がたまをプロデュースしたとき、やりすぎないようにあれだけわかりやすくしたんだよ〜。」

　実際はもっと長く、いろんな例えや言い回しを使ってこんな事を言ってくれた。

　それは自分の根底の中に隠されてた自信やおごりみたいな気持ちをほじくりかえされてぐしゃっとされた気分だった。ただそれは不快ではなく、あまりにもさっぱり言ってしまうものだからかえって気持ちよかった。

　確かに、どこか心の中で、

　「これがわかるか？実はこの言葉にはこんな意味が隠されてるんだ。」

　みたいな簡単に言えば良いのにいつも暗号化してるふしがあった。

　話を聞いてるうちに私の体調は悪くなっていったので、

　「すいません！」

　と話を中断させ、ありがとうございました！と言って民家を後にした。

　

　↑最後に骨折みんなで帰りの電車の中でお疲れさんでした〜の乾杯をした。

　旅、と言えば電車、電車、と言えばビール！ということで買ったのは良いものの、気持ち悪過ぎて全然飲めなかった（笑）

　何もかもが自分の思いとは正反対に事が進んで行った２日間。暖房器具もなくて終始寒くてここ数年で最も過酷だった。ただ、普段の自分の生活がいかに甘っちょろいかということも痛いくらいに学んだ。

　自分の今までの生活のままだったらちょっと、いやかなり問題だった気がする。過酷だったけど、凄く良い経験だった。

　ちなみに私の予想だとこれからもここに行くことがある気がかなりする（笑）

https://soundcloud.com/yamaji-ta