出番前、自分はダニオさんにある相談をした。
「実は自分、来年はちょっと骨折を休みたいです。」
めくるめく出来事が重なって骨折を休みたい、と言い出したのだ。
困惑するダニオさん。すると
「だからこのステージ渾身の気持ちでいきます!」
と言って山路は楽屋を出た。
ステージで準備をしていると時刻はもう23:20を過ぎていた。なんだかこんな時間まで客席に人がいる事をありがたく思った。
準備をして始まった1曲目は
たまや!
一年いろんな事があったけどお祭りな気分でいこうぜ!と会場を盛り上げるためにもドカンと選曲!とても盛り上がり文句なしだった。
2曲目はあじさい。
出番前楽屋でベースのももさんともっと動きが欲しい、来年はそういう面にも攻めていきたいという事でなるべく動くようにした。そんなももさんとの掛け合いがとても楽しかった。
3曲目は月はブルージー。
この曲ができて自分がギターをちょっと弾かなきゃいけないところからずっと戦っていた。あーでもないこーでもないとせめたてられずっと悩んだ末ようやく少し落ち着いた気がする。とても楽しくできた。
4曲目は学んでんだ。
個人的にこの曲は骨折渾身のパワーPOPソング。最近また馬力も出てとても気持ち良いのである。やっぱりステージに立って自信を持って歌うって大切だな、と思った。
5曲目は愛していると言ってくれ。
最近はこの曲の押しと引きを学んで以前よりも深みを出せるようになった気がする。歌の幅が広がって楽しいのである。
6曲目は太陽はサンシャイン。
何回も歌ってるけどとても緊張感があった。ライブには毎回緊張感を持ちたいし、そういう意味でもこの曲はとても好き。数年間コーラスのキーの高さに悪戦苦闘しながらもより高みに持っていく事を楽しんでいる。
曲の後半、最後の盛り上がりのところで自分は
「クソッタレ!」
と叫んだ。ふがいない自分に言い聞かせるためにも叫んだ。
曲が終わって、鳴り止まぬ拍手。珍しい。これはアンコールか?
と思いながらもう1曲やる事に。全くやるつもりがなかった骨折はその場で演奏する曲を選んだ。
アンコールは愛のせい。
とてもつもなく会場と客席が同じ熱量になって本当に一つになった気がする。ライブが終わってダニオさんが凄く良い顔で
「本当に楽しかったね!」
と言ってくれたのが印象的だった。そう2015年は特にこの半年いろんな事があった。バンドって本当に大変だな、もう休みたいな、何でこううまくいかないのかな?人って怖いな。そんな一個物事が上手くいかないとそれに合わせてガタガタガタっと崩れていくバランスみたいなものを感じて、負の連鎖の真っ只中にいた気がした。大丈夫、ただ今の環境が悪いだけ、誰が悪いとかもなく、ただじっとトラブルごとにその問題の根本を考え、耐えていた。ただその耐える事で飛躍的に状況が良くなる事もなくひたすら悩みまくっていてもうこの際全部捨てて北海道にでも1人暮らしてそこから音楽をやるのも良いな!なんて考えた事もあった。
でもそのダニオさんの楽しかったね!に救われた気がする。もしこれで休んだら?そして休みたいです、と言ったときの本当に切なそうなダニオさんの顔を思い出すとなんだか自分の心が辛くなってもう少し!もう少し頑張ろうぜ!と自分を奮い起こす事にした。地球の片隅で片隅みたいな悩みでモヤモヤするなよ!と思いながら。
つづく
ライブのお知らせ
山路貴澄
2016年
1月9日土曜日 新高円寺スタックスフレッド
1月27日水曜日 八王子パパビート
2月20日 土曜日阿佐ヶ谷タバサ
「強者達の晩餐vol2」
骨折
http://kossetsu.jimdo.com/
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